第32回 2018年度杉並支部総会報告
強力な信頼関係の上に成り立った家族経営/一族経営のひとつの理想形
後援:シニア青春の会
兄弟の絆で成長した会社です ~事業承継への挑戦~
記念講演師: 株式会社オザキ 相談役会長 尾﨑 正夫氏
株式会社オザキは、杉並支部で最も優良な企業という評判があり、尾﨑正夫さんのお人柄もありながら、
「兄弟経営で弟が代表者、代表者息子兄弟が入社、代表者の甥に代表を承継」という、なかなか稀な、状態を維持している企業です。
尾﨑正夫氏は、非常に謙虚で、なかなかご自身の事を話していただけなかったのですが、ようやく、今総会記念講演にて、通しで、話していただきました。
父の戦死や母の病死により、兄と共に、祖父母に引き取られ、「兄弟仲良くせにゃならん」と育てられた弟の尾﨑正夫氏。
兄はやさしい優等生、弟が向こう気が強いやんちゃ坊主、兄はほめられ、弟は叱られ、兄弟険悪になるかと思いきや、兄は弟をかばい、弟は兄を尊敬し、幼少のこの頃から、兄弟の絆が垣間見えます。
兄は、中三から家業の農家を手伝い、祖父母希望により18で従妹同士で結婚し、家を支えてきました。
弟は中卒後、集団就職から三か月で出戻り、三年間、家事手伝いや日雇いで暮らし、兄夫婦の世話にもなりました。
その後、弟は広島のパッケージ会社へ就職、紆余曲折、いくつもの転職を経て、昭和51年に、弟は今まで世話になってきた兄に感謝し、呼び寄せ、兄はパッケージ業界を生き抜いてきた弟の能力や商才を信頼・尊重し、弟が代表者として創業。
それからは、弟は営業や外向きの仕事を、兄は会社内にて弟を支える仕事を、分業してきました。
尾﨑氏の話の全てから、まったくイヤミも裏も無く、素直に、今まで世話になってきた兄に対する感謝と人格的尊敬の念がひしひしと伝わって来ました。
また、お会いしたことはありませんが、弟である尾﨑氏を大切に思い尊重する兄のやさしさや人徳も伝わってきました。
ともすれば、兄弟経営は「競い合う」・「緊張感」・「距離感」・「いがみあう」というキーワードが思い浮かびがちですが、株式会社オザキに関しては、一切、そのような印象を感じず、「人徳経営」というイメージを感じました。
いまや、創業者兄弟は名誉会長/相談役会長に退き、甥が代表、姪の婿が取締役、長男が専務、二男が常務、を中心に、孫の代も含め、一族10名以上が社内におり、団結して業務にあたっているといいます。
「揉めないんですか?」という質問をすると、
「兄貴と僕を見ていれば、きっと大丈夫」と尾崎氏は言いました。
そう簡単にはまねのできない、強力な信頼関係の上に成り立った家族経営/一族経営のひとつの理想形だと思いました。
大幸ホーム株式会社
代表取締役社長 林 良和
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